ξ゚听)ξが(´・ω・`)ショボンに恋をしたようです




1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:03:19.88 ID:DeUHOikL0


『ねぇ、お姉ちゃん』

『どうしたの?』

『私、好きな人ができたの!』

『へ? ほんと?』

『うん お姉ちゃんも知ってる人だよ』

『ふーん……誰なの?』

『んっとね……』

『あら……それは意外だったわ』

『昨日こっそり外にでた時、遊んだの』

『へー…って、また隠れて外に出たの!?』

『あっ…ごめんなさいーっ』



 
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:04:22.30 ID:DeUHOikL0








    ───冬の日の、小さな恋のお話───
     



  ξ゚听)ξが(´・ω・`)ショボンに恋をしたようです
  







 
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:06:34.89 ID:DeUHOikL0

行き慣れた学校への道を歩く。
身に受ける風が、いつのまにか冬のそれになっている。
毎年毎年思うけど、本当に秋が短い。

ただ単に、僕が寒がりなだけかもしれないけど。
これでまだ11月下旬。今年の冬は、特に寒くなりそうだ。

(´・ω・`)「はぁ……」

試しに、少し大きく息を吐いてみる。
一瞬、息が白く見えた気がする。
寒い日は、誰もが一度はしたことがあるだろう。

(´・ω・`)「寒いわけだなぁ……」

自分の白く見えた息に、少し凹んだ。
テレビで、寒い地域では初雪だなんて言っていた。

僕は止まって、空を見上げる。雲一つない快晴だ。

寒さのせいで、それは秋晴れなのかよくわからなかった。



 
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:09:04.71 ID:DeUHOikL0

その時、後ろから誰かが走ってくる足音が聞こえた。
僕は振り返る。

ξ゚听)ξ「ショボーン おっはよー」

この寒い中、短いスカートを揺らしながら幼馴染みのツンが駆け寄ってきた。
相変わらず元気だ。

(´・ω・`)「やぁ、おはよう」

そのまま僕の隣に並んだツンに、そう返す。

ξ゚听)ξ「待っててくれてもいいじゃない」

いきなり突っかかってきた。
僕の家はツンの家の隣にある。幼馴染みにはよくある話だ。
高校2年にもなって、一緒に登校もどうかと思うけど。

(´・ω・`)「寒かったからね」

ξ゚听)ξ「なによそれ 理由になってないわよ」

僕もそう思う。



 
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:11:13.40 ID:DeUHOikL0

ξ゚听)ξ「でもその通り、寒いわねぇ……」

話題を変える事に成功したらしい。
僕は適当に相槌を打って、歩き出す。

ξ゚ー゚)ξ「寒がりショボンには厳しい季節ね」

皮肉を言われた。
おいてったことの仕返しだろうか。
まぁ、冬になる度に言われてる事だけど……。

(´・ω・`)「厚着すれば問題ないさ」

厚着で思い出したけど、そろそろカイロを買おうかな。
もちろんそんな事は口に出さない。
ツンにからかわれるに決まってる。

ξ゚听)ξ「あーっと、そうだショボン」

突然、何か思い出したようにツンが話し始める。



 
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:13:21.10 ID:DeUHOikL0

ξ゚听)ξ「ビーグルの散歩って、いつも5時半くらいだっけ?」

突然、うちで飼っている犬の散歩の時間を聞かれた。

(´・ω・`)「? そうだけど?」

不思議に思いながら、答える。

ξ゚听)ξ「今日ちょっとお使い頼まれたから、ついていくわ」

(´・ω・`)「なるほど わかったよ」

ツンは時々こういう強引な時がある。
慣れっこの僕は、素直に了解した。

僕の返事に満足したのか、ツンが右手に携帯を持ち、何やら打ち込んでいた。
メールだろうか。あまり興味ないので、僕は前を向き直す。

相変わらずの、何も変わらない道並。
退屈な事、この上なかった。

………。
……。
…。



 
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:15:04.18 ID:DeUHOikL0

いつもと変わらない日常は、いつもと同じ様に退屈に過ぎた。

いや、今日はいつもより寒かったかな。
でも違いなんてそんな程度だ。
そもそも、そんな違いは遠慮したい。

( ^ω^)「ショボン! また明日だお!」

('A`)「またなー」

(´・ω・`)「うん また明日」

帰り道の途中で友達と別れる。
彼等といると退屈はしないが、学校なんてほとんどが退屈な授業だ。
だから一日の大半は、退屈。

……いけない。最近、友達といる時以外楽しみがない。
そのせいか、すぐに退屈という言葉が浮かんでしまう。

もっと前向きに考えなきゃ。
名前のまんまは、ちょっと嫌だ。



 
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:17:10.02 ID:DeUHOikL0

(´・ω・`)「やぁただいま、ビーグル」

▼・ェ・▼「アン!」

玄関の鍵を開け、家の中に入ると、ビーグルが出迎えてくれた。
室内犬の小型犬。尻尾を振る姿がとても愛くるしい。

(´・ω・`)「着替えたら、散歩に行こうか」

▼・ェ・▼ノシ「アンアン!」

散歩と言う言葉に反応したのか、一層嬉しそうに尻尾を振り出した。

父はまだ仕事、母は買い物だろうか、家にはビーグル以外誰もいない。
時計を見ると、5時20分。

ツンには確か、5時半くらいと言っておいたから、丁度いい。

着替えを終えてそのまま玄関に行き靴を履く。
リードを持つと、ビーグルがぴょんぴょんと嬉しそうに跳ぶ。
すぐにリードをつけてやり、僕は玄関の戸を開けた。



 
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:19:59.15 ID:DeUHOikL0

冷たい風に一瞬身を縮める。
ビーグルは平然としていた。
寒くないのかな……。

一応、玄関の鍵を閉めて、僕等は家の前の路地に出た。

ξ゚听)ξ「あっ」

出たところで、ツンが立っていた。
どうやら待っていたらしい。
この寒い中待ちぼうけなんて、僕には地獄だ。

(´・ω・`)「やぁ おまたせ」

僕はツンに声をかけた。

ξ゚听)ξ「ううん そんなに待ってないわよ」

どんなに短い時間でも、こんな寒い中立たされるのはごめんだ。
僕ならそう思う。

(´・ω・`)「じゃ、行こうか」

そうして僕等と一匹は歩き出した。



 
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:21:40.06 ID:DeUHOikL0

▼・ェ・▼「アン!」

ビーグルが嬉しそうにちょこちょこと前を歩く。
……うん、とても可愛い。

ξ゚ー゚)ξ「可愛い」

ツンも同じことを考えていたようだ。
せっかくなので、僕はツンに話しかけることにした。

(´・ω・`)「お使いは何を頼まれたんだい?」

ξ゚听)ξ「うん? あー…大した事ないわよ」

(´・ω・`)「へぇ、そうなんだ」

言いたくないのか、それとも本当に大した事ないのか、流すような返事。
僕はツンのそんな返事に、興味がなさそうに返事した。

家の近くの川沿いの道を歩く。
障害物がないせいで、冷たい風がもろに吹き付ける。

そんなに風は強くないが、寒い。



 
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:23:55.80 ID:DeUHOikL0

ξ゚听)ξ「さむっ…」

ツンが呟いた。

(´・ω・`)「珍しいね? いつも寒いのは平気みたいだったけど」

なんとなく疑問に思って、言葉にした。

ξ゚听)ξ「あー…風邪気味、かな?」

(´・ω・`)「何その疑問系」

ξ゚听)ξ「だ、大丈夫、大丈夫 うん」

(´・ω・`)「ちょっとビーグルをお願い」

ツンにリードを渡す。

ξ゚听)ξ「どうしたの?」

(´・ω・`)「ちょっと待ってて」

僕は背を向けて、駆け出した。



 
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:26:28.62 ID:DeUHOikL0

数分後、僕はツンの所に戻った。
ツンはその場にしゃがみこんで、ビーグルを撫でていた。

▼・ェ・▼ノシ

幸せそうに尻尾を振っている。

(´・ω・`)「ツン、ほら」

僕は右手を差し出した。ツンがそれに左手を伸ばし応える。

ξ゚听)ξ「あ……」

(´・ω・`)「カフェオレ あったかいよ」

ξ゚听)ξ「ありが…とう…」

滅多に見ない姿の彼女に、滅多にしない僕の厚意。
ただの、きまぐれだ。

(´・ω・`)「帰りながら飲もうか」

僕等は家へと歩き出した。



 
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:31:40.30 ID:DeUHOikL0

(´・ω・`)「お使いはよかったの?」

前を見ながら聞く。

ξ゚听)ξ「メールで、やっぱりいいって」

(´・ω・`)「なにそれ」

ξ゚听)ξ「気が変わったみたい」

(´・ω・`)「誰に頼まれたの?」

ξ゚听)ξ「妹」

ツンの短い答えに、僕は少し身を硬くした。
そう。確かにツンには双子の妹がいる。でも……

(´・ω・`)「デレは、少しは良くなったの?」

僕はそう返した。
ツンの双子の妹のデレは生まれつき体が弱く、いつも家で療養していると聞いていた。
3年前位に一度だけ会ったことがある。
その時はあまりにツンとそっくりで少し驚いたのを覚えてる。



 
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:34:49.05 ID:DeUHOikL0

ξ゚听)ξ「相変わらず、かな いつもベットで寝てるわ」

(´・ω・`)「そうか」

学校にもいけず、友達も作れず、家の中で過ごす毎日。
それはどれほど退屈なことだろうか?
僕には想像できない。
デレに比べたら、僕の退屈なんて本当にちっぽけだ。

(´・ω・`)「早く元気になるといいね」

素直に、そう思った。

ξ゚ー゚)ξ「……伝えておくね」

ツンが笑いながら、そう言った。

疲れたのか、ビーグルの足が遅くなる。
僕はビーグルを抱き抱えた。

▼・ェ・▼「クゥ〜ン」

ご満悦らしい。



 
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:37:09.74 ID:DeUHOikL0

ξ゚听)ξ「ねぇショボン?」

(´・ω・`)「なんだい?」

ξ゚听)ξ「明日も……お散歩ついてってもいい?」

(´・ω・`)「? 別にいいけど、どうしたの?」

ξ゚听)ξ「なんとなく…暇だし?」

(´・ω・`)「なにそれ」

ξ゚ー゚)ξ「いいじゃない」

よくわからない理由だけど、そうしたいなら別に構わない。
まぁ、一人で散歩するよりは、いいかもしれない。

▼・ェ・▼「アン!」

ビーグルがこっちを見て一鳴き。
お前の散歩だったな。ごめんごめん。

………。
……。
…。



 
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:41:23.72 ID:DeUHOikL0
こうして、毎日の散歩にツンがついてくるようになった。

といっても、これといって何かが変わったってことはないけど。
幼馴染みだし、今更照れ臭いとも思わない。
ビーグルも嬉しそうだし、別に気にしない。

当のツンは、一体何を考えているんだか。
時々携帯をいじったり、思い出したように話しかけてくるだけだ。
それでも、いつもの笑顔は崩していない。

……楽しいんだろうか、よくわからない。

一緒に散歩に行き始めて二週間が過ぎた頃。

いつの間にか僕は、その時が楽しみになっていた。


 
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:45:52.56 ID:DeUHOikL0

( ^ω^)「ショボン」

(´・ω・`)「ん?」

放課後、教科書を鞄にしまっている時、友達のブーンに呼ばれた。
その表情はいつになく真剣だ。

( ^ω^)「ちょっと話があるんだけど、いいかお?」

なんだろうか。雰囲気からは真面目な話のような気がするが、珍しい。

('A`)「じゃ、俺先に帰るわ」

( ^ω^)「ドクオ、すまないお」

空気を察したのか、ドクオは先に帰っていった。

(´・ω・`)「それで、話って?」

僕は早速、本題に入る。

( ^ω^)「屋上いくかお」

そう言ってブーンは背中を向けた。

26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:50:41.41 ID:DeUHOikL0

ブーンの後について、僕等は屋上に着いた。
寒い。尋常じゃない程に。
でも真剣そうなブーンの頼みを無下に断るわけにもいかない。

僕は寒さに震えながらブーンの言葉を待った。

( ^ω^)「ショボン」

背中を向けたまま、僕の名を呼ぶ。

( ^ω^)「僕は、ツンが好きだお」

突然、そんな事を言われた。

(´・ω・`)「……言う相手が違うんじゃないの?」

僕は素直な感想を口にした。

(;^ω^)「そ、それだけかお?」

振り向き、そんな事を言う。



 

28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:56:02.09 ID:DeUHOikL0

(´・ω・`)「それだけって、それだけだけど?
      ブーンがツンを好きなのはなんとなくわかってたし」
       
(;^ω^)「まじかお」

(´・ω・`)「まじだよ」

( ^ω^)「ショボンは……ツンのことなんとも思ってないのかお?」

ああ、そう言うことか。
慣れない友達の気遣いに、少し苦笑する。

(´・ω・`)「ツンとは幼馴染みだけど、別に何も」

( ^ω^)「そうかお…」

ブーンなりに、気にしてたようだ。

(´・ω・`)「で、告白するの?」

言い出しにくそうだから、先に言ってやった。




31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:57:35.88 ID:DeUHOikL0

( ^ω^)「今日…この後しようと思ってるお」

(´・ω・`)「そっか」

多分、ツンはOKするだろう。
学校での二人を見ていればわかる。
本当に仲が良い二人だ。

(´・ω・`)「頑張ってね」

( ^ω^)「ありがとうだお!」

迷いが晴れたのか、ブーンはそう言って屋上を後にした。

(´・ω・`)「告白……か」

まばらに星が浮かぶ空を見上げ、静かに呟く。

(´・ω・`)「僕も…はっきりしないとな」

………。
……。
…。

32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 22:59:37.99 ID:DeUHOikL0

今日の散歩に、ツンはこなかった。
まぁ当然と言えば当然だろう。
ブーンはうまくいっただろうか、少し気になった。

明日学校で聞いてみよう。
そう思って勉強でもしようかと机に向かった、その時。

不意に携帯が鳴り出した。
着信を告げる画面には、ツンの名前。
僕は電話に出る。

(´・ω・`)「もしもし」

ξ゚听)ξ『あ…今…大丈夫?』

(´・ω・`)「大丈夫だけど、どうしたの?」

ξ゚听)ξ『ちょっと話があるんだけど…外にきてくれないかな…』

(´・ω・`)「わかった 今すぐ行くよ」

ξ゚听)ξ『ありがとう…ごめんね』

それを聞いて、僕は電話を切った。


 
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 23:01:52.34 ID:DeUHOikL0

やれやれ、僕は寒がりだっていうのに、今日は厄日だろうか。
でも二人とも大事な友達だ。ほかっておけない。
僕はコートを着込み、家の外に出た。

外にはすでにツンが待っていた。

ξ゚听)ξ「ごめんね ありがとう」

(´・ω・`)「いいけど、どうしたの?」

ブーンのことだとは思うが、聞いてみる。

ξ゚听)ξ「ブーンにね……告白されたの」

(´・ω・`)「そっか」

知っているから、驚くはずもない。

ξ゚听)ξ「軽い返事ね」

(´・ω・`)「まぁいずれするだろうとは思ってたしね
       それで、ツンはどうしたんだい?」
       
ξ゚听)ξ「……とりあえず、待ってもらった」


 
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 23:03:58.06 ID:DeUHOikL0

待ってもらった、か。
てっきり即OKすると思ってたから、少し意外だった。

(´・ω・`)「あれ ブーンのこと好きなんじゃないの?」

ξ;゚听)ξ「な、なんで知ってるのよ」

(´・ω・`)「見てればわかるさ 君は隠し事できない性格だからね」

小さい頃から一緒にいたが、ツンは本当に隠し事ができない。
嘘をつくのが下手なのだ。すぐに態度に出てしまう。

ξ゚听)ξ「お見通し、か…」

(´・ω・`)「伊達に長い付き合いじゃないよ」

そう言うと、ツンは静かに笑った。
僕は続けて、疑問を投げかける。

(´・ω・`)「なんで待ってもらったの?」

ξ゚听)ξ「うん……あのね…」



 
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 23:06:38.35 ID:DeUHOikL0

ξ゚听)ξ「デレのことでね、悩んでるの」

(´・ω・`)「へぇ どうして?」

ツンが少しうつむく。

ξ゚听)ξ「私だけ…恋人作っちゃって…いいのかなって」

なるほど。ツンらしい悩みだ。

(´・ω・`)「いいんじゃないの?」

僕は素直に思ったことを口にする。

(´・ω・`)「逆に、そんなこと気にするとデレの負担になるよ」

ξ゚听)ξ「そうだよ、ね…」

(´・ω・`)「わかってるならいいじゃないか」

ξ゚听)ξ「うん……わかってるんだけどね…」

多分、ツンにはまだ何かある。
本当に隠し事が下手な子だ。



 
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 23:08:59.41 ID:DeUHOikL0

(´・ω・`)「それで、本題は?」

僕はストレートに聞いた。

ξ゚听)ξ「あのね……デレに会ってほしいの」

始めからそう言えばよかったのに。

僕はわかったと短く返事をして、ツンの後についていった。

いつかはくると思ってたけど、ちょっと意外な展開だ。
珍しく緊張してしまっている。

仕方ない。腹をくくって僕も臨もう。

ブーンもツンも前に進んだ。

次は、僕の番だ。

………。
……。
…。

 



 
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 23:11:13.66 ID:DeUHOikL0

ζ(゚ー゚*ζ「こんばんは」

(´・ω・`)「こんばんは」

ツンに案内されデレの部屋に着き、挨拶をした。
ベットで半身を起こしている姿が、少し痛々しい。

ζ(゚ー゚*ζ「久しぶりね ショボン君」

(´・ω・`)「ああ そうだね 調子はどう?」

ζ(゚ー゚*ζ「最近はとっても元気よ」

デレとは3年前に一度外で会ったことがある。
久しぶりとは多分そのことを言ってるんだろう。

ξ゚听)ξ「それでね…ショボン」

ツンが何かを言おうとした。
だけど、僕はツンの口からそれを聞く気はない。

(´・ω・`)「その前に、僕の話をさせてもらうよ」

ツンの言葉を強引に遮り、僕は話し始めた。



 
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 23:14:48.87 ID:DeUHOikL0

(´・ω・`)「いきなりだけど、最近気になる子ができたんだ」

ξ;゚听)ξ「え…?」

ツンが驚く。

(´・ω・`)「その子とは、毎日会ってる 僕はそれが楽しみでね」

ξ゚听)ξ「クラスの…子?」

(´・ω・`)「違うよ」

ξ゚听)ξ「クラスの子じゃないのに毎日会ってるって…私の知らない子?」

(´・ω・`)「知ってる子だよ」

必死で誰かを考えてるのか、ツンが静かになる。
デレも静かに僕を見てるが、シーツを握る左手に力がこもっていた。

(´・ω・`)「まだわからない?」

ξ゚听)ξ「うん…誰なの?」



 
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 23:16:39.88 ID:DeUHOikL0

(´・ω・`)「二週間くらい前からかな その子と会い始めたのは」

ξ゚听)ξ「二週間前…」

(´・ω・`)「そう 一緒に散歩しだした日」

ζ(゚−゚*ζ「……」

ξ゚听)ξ「……」

無言で僕を見る二人。
僕の言葉を待っているのだろう。

(´・ω・`)「気になってる子は、その一緒に散歩をしてる子なんだ」

ξ;゚听)ξ「そ、それじゃ……私じゃ…」

(´・ω・`)「違うでしょ?」

そう。僕はすでに知っていた。

(´・ω・`)「今までの子は、デレなんでしょ?」



 
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 23:18:40.41 ID:DeUHOikL0

ξ;゚听)ξ「え…なんで…」

(´・ω・`)「ていうか、それを言うつもりでここに呼ばれたと思ったんだけど」

二人とも驚いた顔をしている。

(´・ω・`)「まぁ最初から気づいたわけじゃないけど、日を追うごとにね」

ζ(゚−゚*ζ「…どうしてわかったの?」

(´・ω・`)「利き手さ」

幼馴染みの僕でも、、見た目は髪型でしか判断できない程そっくりな二人。
違うとわかったのは、それだった。

(´・ω・`)「ツンは右利き、デレは左利きだろ?」

ξ゚听)ξ「あ……」

(´・ω・`)「ツンはメールをしてる時いつも右手 ペンを持つ時もね
      それは昔からの付き合いだからわかってたけど」
      
二人を見ながら、僕は言葉を続ける。



 
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 23:21:50.65 ID:DeUHOikL0

(´・ω・`)「最初に飲み物を渡した時、左手で受け取って違和感を感じたんだよね
      それから気にしてたんだけど、メールを打つのも左手だったし、
      ビーグルのリードを持つ手も左手だった だからそんな気がしたんだ」
      
ζ(゚ー゚*ζ「……そんなことで…」

(´・ω・`)「確証はなかったけどね」

もちろん、そんな気がしていただけだ。
もし間違ってたとしたら、ツンが気になり始めてたってことになる。
どうやらそれはなかったみたいなので、安心した。

(´・ω・`)「そう考えれば、突然ツンがこれから一緒に散歩にいくって言い出したのも
      不自然じゃないだでしょ?」
      
考えていたことが当たっていたようで、少し胸のもやもやが晴れた。

(´・ω・`)「大方、デレが元気になってきたから、
      リハビリついでに、僕で一芝居うったんだろ?」
      
楽しかったよ、と付け加えた。

ζ(゚ー゚*ζ「ショボン君…すごいね」



 
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 23:24:10.57 ID:DeUHOikL0

ζ(゚ー゚*ζ「でも一つ違うんだよ」

(´・ω・`)「違うって?」

ζ(゚ー゚*ζ「その前に、お姉ちゃん」

ξ゚听)ξ「うん?」

ζ(゚ー゚*ζ「私はもう大丈夫だから、ブーンさんに返事をしてあげて」

ξ゚ー゚)ξ「…わかった」

笑顔で返事をして、ツンは部屋から出て行った。

(´・ω・`)「何が違うのかな?」

ζ(゚ー゚*ζ「あのね、リハビリにってところ」

(´・ω・`)「? じゃあどうして」

他に何があるんだろうか。
考えてみるけど、わからない。
僕はデレの言葉を待った。



 
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 23:27:24.19 ID:DeUHOikL0


ζ(゚ー゚*ζ「ショボン君と、一緒にいたかったの」


(´・ω・`)「え?」

よくわからなかったから、思わず聞き返してしまった。

ζ(゚ー゚*ζ「こういうことは鈍いんだね」

そう言って笑うデレ。
何がなんだかよくわからない。

(´・ω・`)「一緒にいたかったからって、なんで?」

ζ(゚ー゚*ζ「もー ほんとに鈍いのね」

笑われた。

ζ(゚ー゚*ζ「どうしてかっていうとね……」

デレは真っ直ぐと僕を見て、ゆっくりと口を開いた。


 
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 23:28:51.49 ID:DeUHOikL0










ζ(゚ー゚*ζ「ショボン君のこと、好きだからだよ」












………。
……。
…。



 
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 23:30:25.80 ID:DeUHOikL0

( ^ω^)「ショボン! 待ったかお?」

(´・ω・`)「いや、僕も今来たとこだよ」

ブーンが時間前に来るなんて、珍しい。今日は雪が降るかもしれない。
せっかく今日は皆と出かけるって言うのに。

( ^ω^)「でも驚いたお」

(´・ω・`)「何が?」

( ^ω^)「まさかツンの妹とショボンが付き合うなんて思ってなかったお」

(´・ω・`)「うん 僕も思ってなかったよ」

本当に思っていなかった。自分でも不思議だ。
でも好きになったんだからしょうがない。

やっぱり気持ちに、嘘はつけないよね?



 
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/30(金) 23:31:48.03 ID:DeUHOikL0




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