ξ゚听)ξ嘘が紡いだ物語のようです
結、『全ての終わり』
242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/17(土) 22:56:28.62
ID:BvFhMvL/0
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※
僕達だけの問題ではないと言った、モララー様の言葉の意味。
その場所に近づくに連れ、予感していたものは確信に変わっていった。
今僕は、固い床に跪いている。
僕の前に立つ御方。
ツンと、モララー様の、父上。
即ち、フォックス王。
爪'ー`)「ああ、立ってくれて構わんよ」
モララー様に連れてこられた場所は、国王の部屋だった。
こんな場所に僕如きが入って、いや、近づくことすら恐れ多い。
立てと言われても、とてもそんなことはできない。
しかし何故、この方が。
244 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/17(土) 22:58:27.98
ID:BvFhMvL/0
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爪'ー`)「ま、いいか……」
爪'ー`)「さて、ツンよ」
ξ;゚听)ξ「……はい」
爪'ー`)「先ず私に、言わねばならんことがある、な?」
ξ;゚听)ξ「……はい」
僕とのことだ。
当たり前だ。フォックス王に、こんな関係を話せるはずがない。
だが今となっては、隠しても意味はない。
ツンは静かに、二年前の夜から、つい先程までの事実を、全て述べた。
爪'ー`)「まったく、馬鹿どもが」
ξ;゚听)ξ「申し訳ありません……」
爪'ー`)「何故もっと早く言わんのだ」
246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/17(土) 23:00:33.08
ID:BvFhMvL/0
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ξ;゚听)ξ「それは……」
爪'ー`)「王女と兵卒。そんな恋が認められるわけがない、と」
ξ;゚听)ξ「……はい」
爪'ー`)「何故だ」
ξ;゚听)ξ「……え?」
( -∀-)「…………」
爪'ー`)「私がそんな古狸だったとでも思っていたのか」
爪'ー`)「お前達の事は、知っていたよ」
ξ;゚听)ξ「……」
爪'ー`)「モララーにも言われただろう。所詮は、子どもの秘め事だ」
全て、筒抜けだったのか。
でもどうして、今になって。
248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/17(土) 23:02:48.51
ID:BvFhMvL/0
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爪'ー`)「ツン。今日お前に言ったことを、覚えているか?」
ξ;゚听)ξ「……?」
爪'ー`)「嘘の話だ。愛のある嘘と、愛のない嘘、だな」
ξ;゚听)ξ「はい」
爪'ー`)「お前は、そこの男を選んだのだろう」
ξ゚听)ξ「……はい」
爪'ー`)「……愛のある嘘に、心当たりはないか?」
ξ゚听)ξ「……」
何の話をしているのだろうか。
嘘と言えば、僕は一つだけ、彼女に嘘をついていた。
宝石を隠し持っていたことだ。
それがフォックス王の言う話に繋がるのかはわからない。
それ以前に、フォックス王は何故それを知っているのだろうか。
ξ゚听)ξ「……あります」
249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/17(土) 23:05:34.87
ID:BvFhMvL/0
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爪'ー`)「なら、それでいいんじゃないか」
ξ゚听)ξ「…………」
爪'ー`)「そして最近、愛のない嘘をついた男が居る」
爪'ー`)「それが誰だか、わかるか?」
ξ゚听)ξ「……」
ξ゚听)ξ「……お父様?」
爪'ー`)「ああ、実はそうなんだよ……っと、怒るぞ」
ξ;゚听)ξ「ご、ごめんなさい……」
爪'ー`)「まぁ、そいつがお前の前で嘘をついたのは、今日の一度だけだったがな」
爪'ー`)「生意気にもそいつは、私に嘘を吐き続けていたのだよ」
爪'ー`)「……そいつの名は、ネーヨ=ザクセン」
ξ;゚听)ξ「…………?!」
251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/17(土) 23:08:03.86
ID:BvFhMvL/0
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ネーヨ公が……嘘を?
話が見えない。一体どういうことなのだろうか。
爪'ー`)「モララー」
( ・∀・)「はい」
( ・∀・)「今日、俺達がザクセン城へ行っていた時、ヴィップ城に侵入者が現れた。
さっきあの丘に現れた黒ずくめも、恐らくその仲間だ」
あれが……ネーヨ公の……刺客……?
( ・∀・)「侵入者を拷問にかけた。そして全てを、話したよ」
( ・∀・)「ブーンを暗殺しようとしたことと、黒幕の名前を、な」
僕を、暗殺?
それになんの得があるというのか。
( ・∀・)「どうやら、ネーヨ公は頻繁にこちらを偵察していたようだ」
( ・∀・)「決して近づかずに、遠くから、な」
( ・∀・)「……それで、ツンとブーンが毎夜会ってる事を、知ったようだ」
ξ;゚听)ξ「……」
253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/17(土) 23:10:08.68
ID:BvFhMvL/0
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( ・∀・)「俺も、甘く見ていた。もっと城の周囲へ、警備を向けるべきだった」
( ・∀・)「王女が深夜に城から抜け出し、兵卒と会っている。
普通に考えたらこれは異常だ。そして理由も、想像がつくだろうな」
( ・∀・)「そしてネーヨ公は、ブーンを利用することを考えた」
( ・∀・)「ブーンを殺して、ツンの心を、自分に向けようと、な」
ξ;゚听)ξ「そんな……」
( ・∀・)「あの場で内通者などと言ったのは、俺達を撹乱しようとしたんだ。
……腹立たしいが、危うくそれに引っかかるとこだった」
爪'ー`)「黒幕自ら注意を促すとは普通には考えられないからな」
( ・∀・)「はい。……しかし奴は、こちらの力を甘く見た。
長く偵察を許していたことが、相手側の慢心になったようだ」
爪'ー`)「即日招待に応じてやれば、慌ててボロを出すと思ったが、正解だったな」
( ・∀・)「はい。……まんまと捕まった侵入者は、全てを話した、ということだ」
頭が追いつかなかった。
ともかく、ネーヨ公がヴィップへ……僕を殺そうと刺客を放ったことは理解できた。
254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/17(土) 23:12:53.13
ID:BvFhMvL/0
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爪'ー`)「どうもあいつは信用ならなかったが……こんなことをしてくれるとはな」
ξ;゚听)ξ「そんな……私はてっきりお父様はあの方を気に入っているのかと……」
爪'ー`)「あぁ、お前を連れていれば油断をしてボロを出すかと思ってな」
爪'ー`)「あいつはお前にご熱心だった。お前達の密会を見つけたのも、大方ツンの監視の、延長だろうな」
(;・∀・)「……」
ξ;゚听)ξ「……」
爪'ー`)「まぁ、それはいい。奴にはきついお灸を据えてやる」
爪'ー`)「私を騙し、ツンに纏わり付いた事に留まらず、ツンの婿を暗殺しようとしたのだから、な」
(;^ω^)「……え?」
ξ;゚听)ξ「おとう……さま?」
爪'ー`)「なんだ?」
ξ;゚听)ξ「今、なんて」
256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/17(土) 23:15:08.61
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爪'ー`)「なんだお前達。愛し合ってるんじゃないのか?」
ξ;゚听)ξ「……そ、それはそうですけど」
(;^ω^)「……」
爪'ー`)「結婚はしないのか? 嫌ならいいが」
( -∀-)「……結局、全くの杞憂だったな……」
爪'ー`)「おい。お前」
(;^ω^)「はっ!」
爪'ー`)「ブーン=ラダトスク、だったな」
(;^ω^)「はっ!」
爪'ー`)「ツンを、よろしく頼むぞ」
( ^ω^)「…………」
爪'ー`)「……返事は、どうした?」
260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/17(土) 23:17:14.09
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( ^ω^)「…………必ず」
( ^ω^)「必ず! ツン様を幸せにしてみせます!」
───………
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